「死ぬ気で、本当に死ぬ気で恋愛をしてみないか」先生のその言葉が耳朶にまとわり付いて私を愛に殉じる女に変えた…。「愛って痛いものね。」玉川上水で入水自殺を遂げた作家・太宰治と、彼と情死した愛人・山崎富栄の出会いから心中までを描くエロス大作。2度の心中未遂を経て、空虚な日々を送っていた太宰(峰岸)は、三鷹駅前の小さなうどん屋で出征軍人の妻・富栄(高瀬)と出会い、少なからず心を動かされる。いつしか逢瀬を重ねるようになる2人。だが、富栄は美容師の仲間の喬子(森田)から渡された太宰の小説に出てくる、彼との愛に殉じた女たちに嫉妬していた。そんな彼女に「死ぬ気で恋愛してみないか」と囁く太宰。しかし、その時すでに彼の肉体は病魔に蝕まれていたのであった。